ヨハネによる福音書2章1〜11節〈新しい神殿〉
東日本大震災発生
2011年3月11日(金)午後2時46分から
10か月11日です。
降誕節第5主日
ヨハネによる福音書2章1〜11節
_1三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。2イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。3ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに、「ぶどう酒が足りなくなりました」と言った。4イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」5しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。6そこには、ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった。いずれも二ないし三メトレテス入りのものである。7イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。8イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい。」と言われた。召し使いたちは運んで行った。9世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、10言った。「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」11イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現わされた。それで、弟子たちはイエスを信じた。
〈宣教の開始〉
婚礼の席で酒が足りないとなると祝いの席だけにしらけてしまいます。イエス様の母マリアが新郎新婦とどのような関係なのかは分かりませんがぶどう酒が足りないことを気にかけてイエス様に事態を知らせます。
するとイエス様は、「関わりがない、自分の時ではない」と力を貸すことを拒絶しているかのような返答をされます。しかしマリアはこの返答を無視するようにイエス様が言う通りにしてほしいと召し使いたちにお願いします。
ヨハネによる福音書で最初行われた奇跡では、願うものに対して拒絶されているようだけれどもにもかかわらず信じて願う人がいます。
イエス様は水をぶどう酒に変えることでマリアの願いに力を貸されます。その結果、婚礼の世話役が不思議に思う程、酔った客に出すにはもったいない程の上等のぶどう酒が用意されることになります。
ヨハネによる福音書で最初に行われた奇跡は、病に苦しむ人が癒されることではありません。罪を犯し続ける人が許され悔い改めに導かれることでもありません。泥酔した客人に上等のワインが提供されるという、ふさわしくない者に尊いものがあたえられました。
伝道福音とはふさわしく与えられることではありません。見方によればなぜこのような無駄でもったいないことをするのかとあきれてしまうようなことです。キリストが十字架に掛かり殺されてまでも人の罪を身代わりになって担ってくださることを伝えることはこういうことです。
わたしは朝新しい一日が与えられたときとても尊いものが与えられたと思います。一日を終えたとき尊い一日を無駄にしたのではないかと思います。しかしまた次に朝には尊い一日が与えられます。神様は私たちがふさわしく立派に一日を過ごすから愛されるわけではありません。ふさわしくないままで私たちを愛し必要とし用いてくださいます。カナの婚礼の物語はこう私たちに伝えています。
聖書 新共同訳: (c)共同訳聖書実行委員会
Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会
Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988
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