聖霊降臨節第9主日〈破局からの救い〉

C3

2012年07月22日 13:24

東日本大震災発生
2011年3月11日(金)午後2時46分から
1年4か月4日です。

聖霊降臨節第8主日

使徒言行録27章33~44節
_33夜が明けかけたころ、パウロは一同に食事をするように勧めた。「今日で、十四日もの間、皆さんは不安のうちに全く何も食べずに、過ごしてきました。34だから、どうぞ何か食べてください。生き延びるために必要だからです。あなたがたの頭から髪の毛一本もなくなることはありません。」35こう言ってパウロは、一同の前でパンを取って神に感謝の祈りをささげてから、それを裂いて食べ始めた。36そこで、一同も元気づいて食事をした。37船にいたわたしたちは、全部で二百七十六人であった。38十分に食べてから、穀物を海に投げ捨てて船を軽くした。

_39朝になって、どこの陸地であるか分からなかったが、砂浜のある入り江を見つけたので、できることなら、そこへ船を乗り入れようということになった。40そこで、錨を切り離して海に捨て、同時に舵の綱を解き、風に船首の帆を上げて、砂浜に向かって進んだ。41ところが、深みに挟まれた浅瀬にぶつかって船を乗り上げてしまい、船首がめり込んで動かなくなり、船尾は激しい波で壊れだした。42兵士たちは、囚人たちが泳いで逃げないように、殺そうと計ったが、43百人隊長はパウロを助けたいと思ったので、この計画を思いとどまらせた。そして、泳げる者がまず飛び込んで陸に上がり、44残りの者は板切れや船の乗組員につかまって泳いで行くように命令した。このようにして、全員が無事に上陸した。

〈破局から救い〉
_破局とは、今まさに破れてしまうことです。何が破れてしまうことでしょう。紙がビリビリと音を立てて裂けていくように。
_救いはこの破れを修復すること、
_であるとしたらそもそも破れることがないように守られることが、最大の救いだと考えてしまいます。

_しかし、破れのない生き方は、弱さを克服すること、安心できる保証を得ること、自分でできることを、目指してしまします。破れがあるからこそ、人は弱いし、確実な保証なんて得られないし、他人の助けを必要とすると思うことができます。

_パウロさんの船旅は破れがありました。だからこそ全員が陸へ上がることができたと思います。もう破れがなければ誰かが誰かの犠牲になっていたかもしれません。

_破れは全ての人へ関心を向けさせます。それこそが私たちの救いでは、と信じます。

聖書 新共同訳: (c)共同訳聖書実行委員会
Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会
Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988


告知
9月2日(日)映画「うまれる」が開聞総合体育館で上映されます。

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