聖霊降臨節第19主日〈神の富と知恵〉

C3

2012年09月30日 18:22

東日本大震災発生
2011年3月11日(金)午後2時46分から
1年6か月19日です。

2012年9月30日(
聖霊降臨節第19主日

ローマの信徒への手紙11章33~36節
1133ああ、神の富と知恵と知識のなんと深いことか。だれが、神の定めを究め尽くし、神の道を理解し尽くせよう。
34「いったいだれが主の心を知っていたであろうか。
_だれが主の相談相手であっただろうか。
35だれがまず主に与えて、
_その報いを受けるであろうか。」
36すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです。栄光が神に永遠にありますように、アーメン。

〈神の富と知恵〉
_パウロさんは神様の富と知恵と知識の深さの底が見えないことに感嘆しています。

_かたくなな一部のイスラエルの人たちは異邦人(イスラエルの民ではない民)が救われた後に救いに預かるとのパウロさんの確信を述べてもらした感嘆です。ローマの教会の人たちにパウロさんが伝えたかったのは、パウロさんが固く信じているかたくなな一部のイスラエルの人たちも救われることに、神様の富と知恵と知識の深さの素晴らしさです。

_なぜかたくなな人まで救われると言えるのか、と考える人もいるでしょう。しかしパウロさんはこう考えるなら神様の持っておられる深さを信じていないと確信しているようです。

_パウロさんはかつてキリストの教会を激しく嫌悪し迫害しました。律法(神様が決められたとされる約束事)を守ることが正しいことだと信じていました。ですから律法について批判的なことを主張することはパウロさんにとって自分の生き方を、イスラエルの民の生き方を否定することでした。

_パウロさんはそのとき不安を抱えていたと想像します。スポーツ選手が怪我で練習できないと不安を感じる、自分が望んだものを手にするためには努力を続けることが必要であれば休むことは不安です。パウロさんはスポーツ選手が勝つことを目指すように救いを目指していたと思います。律法を守る努力を続けながらこれで大丈夫なのか、もしかしたらこのままでは後少しのところで望んでいたものを得られないのではないかと…。そんなパウロさんは律法に批判的なキリストの教会の存在をゆるすことなどできないことでした。

_そんなパウロさんもイエス様と幻の中で出会いかわるのです。出会う直前までキリストの教会に敵意を燃えたたせ迫害するために旅の途中にいたのです。イエス様と出会う直前のパウロさんは人の目から見ると最もイエス様の弟子にふさわしくありませんでした。

_パウロさんは自分がそうであったからこそ、かたくなな一部のイスラエルの人たちも救われるとの確信をローマの教会に伝えようとしました。そして自分は最もふさしくなかったのに使徒として招かれたことと重ねて、神様の富と知恵と知識の深さに、思わず感嘆しました。

聖書 新共同訳: (c)共同訳聖書実行委員会
Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会
Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988

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