待降節第3主日〈先駆者〉

C3

2012年12月16日 13:51

東日本大震災発生
2011年3月11日(金)午後2時46分から
1年9か月5日です。

2012年12月16日(
待降節第3主日
士師記13章12〜20節
13
 2その名をマノアという一人の男がいた。彼はダンの氏族に属し、ツォルアの出身であった。彼の妻は不妊の女で、子を産んだことがなかった。3主の御使いが彼女に現れて言った。「あなたは不妊の女で、子を産んだことがない。だが、身ごもって男の子を産むであろう。4今後、ぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないように気をつけよ。5あなたは身ごもって男の子を産む。その子は胎内にいるときから、ナジル人として神にささげられているので、その子の頭にかみそりを当ててはならない。彼は、ペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となろう。」6女は夫のもとに来て言った。「神の人がわたしのところにおいでになりました。姿は神の御使いのようで、非常に恐ろしく、どこからおいでになったのかと尋ねることもできず、その方も名前を明かされませんでした。7ただその方は、わたしが身ごもって男の子を産むことになっており、その子は胎内にいるときから死ぬ日までナジル人として神にささげられているので、わたしにぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないようにとおっしゃいました。」8そこでマノアは、主に向かってこう祈った。「わたしの主よ、お願いいたします。お遣わしになった神の人をもう一度わたしたちのところに来させ、生まれて来る子をどうすればよいのか教えてください。」9神はマノアの声をお聞き入れになり、神の御使いが、再びその妻のところに現れた。彼女は畑に座っていて、夫マノアは一緒にいなかった。10妻は急いで夫に知らせようとして走り、「この間わたしのところにおいでになった方が、またお見えになっています」と言った。11マノアは立ち上がって妻について行き、その人のところに来て言った。「この女に話しかけたのはあなたですか。」その人は、「そうです」と答えた。12マノアが、「あなたのお言葉のとおりになるのでしたら、その子のためになすべき決まりとは何でしょうか。」と尋ねると、13主の御使いはマノアに答えた。「わたしがこの女に言ったことをすべて守りなさい。14彼女はぶどう酒を作るぶどうの木からできるものは一切食べてはならず、ぶどう酒や強い飲み物も飲んではならない。また汚れた物を一切食べてはならない。わたしが彼女に戒めたことは、すべて守らなければならない。」

〈先駆者〉
 士師はイスラエルが王国なる前にいたリーダーです。そのときは諸部族ごとにリーダーがいました。サムソンはその一人です。彼は今回の主題である先駆者として誕生します。

 サムソンはマノアとその妻の子として誕生します。彼の両親には長い間こどもが産まれることはありませんでした。当時結婚してこどもが授からないのは不幸なことだと考えられていたようです。このようななか不幸な存在だと見られていた夫妻は辛い思いをしたことでしょう。また当時その責任の全てをかぶせられていた女性である妻は非常な辛さを抱え生きていたことでしょう。神さが用いようと手を触れられるのはこうのような人が多いです。マノア夫妻がいたからこそサムソンが誕生しました。

 サムソンは神さまに選ばれた人として怪力を得ます。この力を用いて先駆者として敵と一番に向かい合い後の人々を守りました。しかし彼は弱点がありました。髪を切ってしまうと怪力がなくなることと女性の騙されやすことです。人々はサムソンから守られ続けているうちにそれが当たり前のようになっていたのではと想像します。彼はずっと一人で戦いました。彼の弱さを補ってくれる仲間がいませんでした。彼の最後は愛する女性に騙され髪を切られ力を失い敵の手に渡され死んでしまいます。

 今日は衆議院選挙ですが今ある選挙権はかつて命を張って獲得してくれた先人がいたからわたしたちの手にあります。でも今そうして手にしているものを当たり前だと思ってしまっています。先駆者は人より危険で不安にさせるものに誰よりも先に近づいて後に続く者を守ります。

 イエス様も洗礼者ヨハネという先駆者がいたと福音書は伝えています。わたしたちがイエス様に出会うにも先駆者がいると教えています。わたしたちがイエス様にであった道は先駆者が切り開いてくれたものです。この道は茨の道だったかもしれません。先駆者が先に行ってトゲに傷つきながら切り拓いてくれた道で、わたしはイエス様に出会うことができたと信じます。

 クリスマスの日、イエス様の誕生日を喜ぶとき、この喜びはイエス様に出会えた喜びです。加えてわたしたちも誰かがイエス様と出会う道を切り拓く先駆者として、神さまに助けられ聖霊から力を得て、駆けていくことができるかもしれないという希望の喜びもあると思います。

聖書 新共同訳: (c)共同訳聖書実行委員会
Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会
Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988

関連記事